公認会計士の先生方へ|弁護士との連携・法律相談のご案内

〜財務・会計の専門性と独立性を尊重し,不正調査や役員責任などの法律問題を弁護士とつなぐ〜

公認会計士の先生方が接する企業の経営課題には,役員や従業員による不正,内部統制の不備,株主間の対立,M&A後の契約紛争など,財務・会計の問題が法律上の責任に発展するものがあります。本ページでは,当事務所が,先生の専門性と独立性を尊重しながら,企業側の弁護士として連携する場面,役割分担,料金,ご利用の流れをご案内します。クライアント企業をご紹介いただく入口と,先生ご自身が継続的に法律相談を受ける顧問契約の入口の,2つをご用意しています。

【この記事の結論】
  • クライアント企業のご紹介と,先生ご自身の顧問契約は,それぞれ別の入口としてご利用いただけます。ご紹介は,顧問契約の条件ではありません。
  • ご紹介を受けたクライアント企業の初回30分の法律相談は無料です(1社につき初回1回,法律相談に限ります。)。
  • クライアント企業の個別案件(詳細な検討,書面作成,交渉等)は,原則として別契約です。紹介料は,支払も受領もしません。

公認会計士事務所様向け顧問プラン(税込)

ライト 月額11,000円(月1時間まで)
スタンダード 月額22,000円(月2時間まで)

クライアント企業のご紹介と顧問契約は,それぞれ別の入口としてご利用いただけます。ご紹介を受けたクライアント企業の初回30分の法律相談は無料です。詳細は4項で案内します。

目次

根拠法令・参照資料

※本ページは,次の法令等に基づいて作成しています。条文の照合は,公開前に行います。

公認会計士法第1条の2(職責),第27条(秘密を守る義務)

弁護士法第27条,第72条

弁護士職務基本規程第13条,第27条,第28条

【公開前に要確認:上記条文の現行条文(e-Gov法令検索,日本弁護士連合会公表の規程)との照合】

この記事はこんな方におすすめです
主要用語の定義

クライアント企業のご紹介とは,公認会計士の先生が,クライアント企業のご相談やご依頼を当事務所へつなぐ方法をいいます。顧問契約の締結は,ご紹介の条件ではありません。

公認会計士事務所向けの顧問契約とは,公認会計士の事務所(監査法人を含みます。)を依頼者とし,その事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言を継続して提供する契約をいいます。

不正調査とは,役員や従業員による資金の不正流用,不適切な会計処理などの疑いについて,事実関係を調査し,証拠を保全し,法的責任と対応を検討する手続をいいます。

1 このような法律問題でお困りではありませんか

この項の結論

財務・会計上の問題が法律上の責任や紛争に発展する場面では,早い段階で弁護士に相談することで,対応の選択肢を確認できます。

公認会計士の先生は,監査,財務分析,経営支援,M&Aなどを通じて,企業の経営課題に接しています。次のような場面では,財務・会計の検討だけでは完結せず,法律上の判断が必要になることがあります。以下は想定される場面であり,実際の結論は事実関係によって異なります。

  • 役員や従業員による不正(不正調査)が発覚した資金の不正流用,経費の不適切な支出,横領の疑いなどが生じた場面です。事実関係の調査に加え,関係者の法的責任と損害回復の検討が必要です。弁護士は,証拠保全,関係者への対応,損害賠償請求,刑事上の問題を検討します。
  • 取締役の責任(役員責任)が問題になっている経営判断の失敗,利益相反取引,社内規程違反などについて,取締役の善管注意義務や忠実義務違反が争われる場面です。弁護士は,事実関係と法的義務を整理し,責任追及の可否や対応方針を検討します。
  • 内部通報を契機に調査が必要になった(内部統制)内部通報により,不正会計,利益相反,ハラスメントなどの疑いが判明した場面です。調査対象の整理,関係者へのヒアリング,法的評価,是正措置を支援します。企業全般の取扱いは,「その他の企業法務・企業間トラブル」をご覧ください。
  • M&A後に契約上の問題が発覚した買収後に簿外債務や契約違反が判明し,株式譲渡契約の表明保証条項や補償条項が問題になる場面です。契約内容,デューデリジェンスの開示資料,損害の内容を検討し,交渉や紛争手続に対応します。
  • 経営不振の企業への対応を検討している資金繰りの悪化,債権者からの請求,取引先との契約問題について,財務状況と法的な選択肢の双方から検討する場面です。弁護士は,債権者対応,契約上の問題,事業再生や倒産などの法的整理手続を担当します。

2 公認会計士の先生と弁護士の役割分担と連携のメリット

この項の結論

会計監査,財務分析,企業価値評価などは,引き続き先生が担当します。弁護士は,法的責任の検討,契約の解釈,調査に伴う法律問題,交渉・訴訟などを担当します。

場面公認会計士の先生弁護士
会計監査・財務分析会計監査,財務分析,企業価値評価,財務上の問題点の検討法的責任の検討,契約の解釈
不正の疑い・不正調査資金の流れや会計処理の分析証拠保全,関係者への対応,損害賠償請求,刑事上の問題の検討
役員責任財務・会計面の事実の整理善管注意義務・忠実義務違反の検討,責任追及の可否
内部通報・内部統制内部統制の評価,改善の提案調査手続の設計,法的評価,是正措置
M&A財務デューデリジェンス,企業価値評価契約書(表明保証・補償)の検討,法務面の調査,交渉
経営不振企業財務状況や資金繰りの分析債権者対応,法的整理手続

※上記は一般的な役割分担の例です。実際の担当範囲は,公認会計士法で認められた業務範囲,クライアント企業の意向及び案件の内容に応じて決定します。監査業務と経営支援業務では連携できる範囲が異なるため,案件ごとに独立性や利益相反を確認します。

2-1 連携のメリット

  • 財務上の問題と法律上の責任を,区別して検討できる会計上の問題が見つかっても,直ちに取締役の損害賠償責任が成立するわけではありません。財務・会計面の分析と法的評価を分けて行うことで,検討すべき問題が明確になります。
  • 不正調査やガバナンスの課題に,連携して対応できる調査の目的や対象を定め,証拠保全,ヒアリング,法的評価を適切に進めることができます。
  • 専門家としての独立性と守秘義務を尊重できる情報共有の可否,利益相反,担当範囲を確認し,公認会計士の先生の職務上の立場を尊重します。

3 「最初の一件」の進め方

この項の結論

連携は,クライアント企業から相談を受けた段階で,クライアント企業の了承を得て,当事務所をご紹介いただくところから始められます。

  1. STEP1 当事務所へご連絡いただく不正の疑いが判明した,取締役の責任が問題になった,M&A契約の法律上の検討が必要になったなど,具体的な案件が生じた段階で結構です。クライアント企業の了承を得てください。
  2. STEP2 クライアント企業が,初回30分の法律相談を受ける初回30分は無料です。先生の同席の可否は,クライアント企業の意向,守秘義務及び独立性を踏まえて決めます。
  3. STEP3 弁護士が,論点と対応の選択肢を整理する個別案件として,詳細な検討や書面の作成,交渉が必要かどうかを案内します。
  4. STEP4 受任する場合は,クライアント企業と弁護士が直接契約する依頼者,役割分担,費用,情報共有の範囲,利益相反の有無を確認します。
  5. STEP5 案件の終了後,今後の連携の進め方を確認する役割の分担を振り返り,次回の相談を円滑にします。

4 料金とご利用方法

この項の結論

先生ご自身が継続的に法律相談をご希望の場合は,ライト(月額11,000円,月1時間まで)又はスタンダード(月額22,000円,月2時間まで)をご利用いただけます(いずれも税込)。

プラン月額(税込)相談できる時間
ライト11,000円公認会計士事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言(月1時間まで。回数の制限はありません。)
スタンダード22,000円公認会計士事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言(月2時間まで。回数の制限はありません。)

メール,電話,オンラインでご相談いただけます(面談は予約制です。)。上限時間を超える法律相談は,追加30分ごとに5,500円(税込)です。クライアント企業の個別案件の詳細な調査・検討,書面の作成,交渉・調停・訴訟などの代理,調査の実施,研修・セミナーは,上限とは別に,原則として別契約又は別途お見積りです。契約の詳細は,お申込みの際にご説明します。監査法人は,個別にご提案します。

区分料金(税込)条件
通常の法律相談30分5,500円30分を超える場合は,追加30分ごとに5,500円(予約時にご案内します。)
ご紹介を受けたクライアント企業の初回相談無料ご紹介の入口でご利用いただけます。1社につき初回1回,30分以内の法律相談に限ります。
【ご注意】 初回相談の無料は,ご紹介を受けたクライアント企業の利益です。ご紹介元の先生に対する対価ではありません。資料の精査や書面の作成は対象外で,利益相反などにより,お受けできない場合があります。

5 クライアント企業との関係の取扱い

この項の結論

クライアント企業の案件を弁護士が受任する場合は,依頼者,役割分担,利益相反,費用負担,情報共有の範囲を事前に確認します。

  • 依頼者と連絡窓口クライアント企業の個別案件では,原則として,クライアント企業と弁護士が直接契約します。日常の連絡窓口は,引き続き先生が担うことができます。
  • 利益相反と費用負担受任の前に,利益相反(弁護士職務基本規程第27条,第28条)と,弁護士費用の負担者を確認します。
  • 情報共有と守秘義務クライアント企業の意向と,公認会計士法第27条に定める秘密を守る義務を踏まえ,共有する情報の範囲を定めます。共有してよいかの判断は,先生の守秘義務と独立性に照らして行っていただきます。
  • 紹介の取扱い紹介を契約の条件にはしません。紹介の件数によって顧問料が変わることもなく,紹介料の支払も受領も行いません。

弁護士は,個別の事件を受任した場合,依頼者の利益を優先し,独立して職務を行います。

6 よくある質問(FAQ)

この項の結論

FAQでは,ご紹介と顧問契約の違い,上限時間,無料相談の条件,紹介料,守秘義務と独立性,弁護士法第72条との関係を整理します。

クライアント企業のご紹介と顧問契約は,どう違いますか。
ご紹介は,クライアント企業のご相談やご依頼を当事務所へつなぐ方法です。顧問契約は,公認会計士事務所自身の業務に関する法律相談を継続して受ける契約です。両者は別々にご利用いただけます。ご紹介は顧問契約の条件ではなく,顧問料は紹介の対価でもありません。
不正調査やM&Aの相談を弁護士に紹介すると,監査や財務の業務を引き継がれませんか。
当事務所は,公認会計士の先生が担当されている会計監査,財務分析,企業価値評価などの業務を引き継ぐことを目的としていません。会計・財務の分析は先生が,法的責任の検討や契約,交渉,紛争対応は弁護士が担当します。役割分担は,案件ごとに確認します。
ライトとスタンダードの上限時間を超えた場合は,どうなりますか。監査法人も利用できますか。
ライトは月1時間まで,スタンダードは月2時間までです。いずれも相談の回数に制限はありません。上限を超える法律相談は,追加30分ごとに5,500円(税込)です。クライアント企業の個別案件の詳細な調査・検討,書面の作成,交渉・調停・訴訟の代理などは,上限とは別に,原則として別契約です。監査法人は,組織の規模,相談件数,必要な対応体制を確認したうえで,個別にご提案します。
クライアント企業の相談も,顧問料の範囲で受けられますか。初回の無料相談の条件は何ですか。
顧問料は,公認会計士事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言の対価です。クライアント企業の個別案件は,原則として別契約になります。ご紹介を受けたクライアント企業の初回30分の法律相談は無料です(1社につき初回1回,法律相談に限ります。)。資料の精査や書面の作成は対象外で,利益相反などにより,お受けできない場合があります。
クライアント企業を紹介した場合,紹介料を受け取れますか。
紹介料のやり取りは行いません。弁護士職務基本規程第13条は,弁護士が依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼等を支払うこと(第1項),及び依頼者を紹介したことに対する謝礼等を受け取ること(第2項)を禁止しています。弁護士法第27条は,弁護士が,同法第72条から第74条までの規定に違反する者から事件の周旋を受けることを禁止しています。
クライアント企業から「取引先との交渉を代わりにしてほしい」と頼まれました。公認会計士として引き受けてよいですか。
公認会計士法で認められた業務の範囲を超えて,報酬を得る目的で,会社の代理人として一般の法律事件の交渉を業として行うと,弁護士法第72条に抵触するおそれがあります。範囲を超える依頼は,引き受ける前に弁護士への依頼を検討してください。
監査先やクライアント企業の情報を弁護士に共有してよいですか。独立性への影響はありますか。
公認会計士には,公認会計士法第27条により,正当な理由がなく業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない義務があります。共有してよいかは先生の守秘義務に照らして判断していただき,実務上は,クライアント企業の了承を得て共有する範囲を定めます。法定監査などでは,監査人の独立性(同法第1条の2)への影響が生じ得る場合があります。当事務所との連携についても,情報共有の可否,利益相反,担当範囲を案件ごとに確認します。企業を特定しない形で,一般的な論点から相談を始めることもできます。

7 まとめ

不正調査,役員責任,内部通報,M&Aなどの相談を受けたときは,クライアント企業の了承を得て,当事務所をご紹介ください。先生ご自身が継続的に法律相談をご希望の場合は,ライトとスタンダードの顧問契約をご用意しています。他の専門家との連携の全体像は,「専門家・パートナーの皆様へ|弁護士との連携・法律相談のご案内」をご覧ください。

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ご相談の前に整理しておくとよい資料

クライアント企業の了承を得て,個人情報や機密情報に配慮した形で,次の資料をご用意いただくと,状況の整理が進めやすくなります。企業を特定しない形で,一般的な論点から始めることもできます。

  • 問題が生じた経緯を時系列でまとめたメモ
  • 契約書,株式譲渡契約書,取締役会の議事録など,案件に関係する書類
  • 会計資料,調査の結果など,財務面の分析の資料
  • 相手方や関係者から届いた通知,請求書,回答期限
免責事項

本記事は,掲載時点の法令,指針,裁判例等に基づき,一般的な法的情報を提供することを目的として作成しています。個別の事案では,事実関係や証拠等によって結論が異なるため,本記事は法的助言を目的とするものではありません。また,法令の改正,裁判例の変更等により,掲載内容が変更される場合があります。具体的な事案については,当事務所の弁護士へお気軽にご相談ください。

執筆・監修

日本橋法律特許事務所 代表弁護士・弁理士 中山泰章(第二東京弁護士会所属)

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