司法書士の先生方へ|弁護士との連携・法律相談のご案内

〜相続・不動産・会社登記の実務と,法律紛争への対応をつなぐ〜

司法書士の先生方は,相続登記,不動産登記,商業登記を通じて,お客様の重要な権利関係に接しています。登記の相談の中で,相続人間の遺産分割の対立,売買契約の効力,株主総会決議の有効性など,法律紛争が明らかになることもあります。本ページでは,当事務所が,先生とお客様との関係を尊重しながら,企業側・個人の紛争に対応する弁護士として連携する場面,役割分担,料金,ご利用の流れをご案内します。お客様をご紹介いただく入口と,先生ご自身が継続的に法律相談を受ける顧問契約の入口の,2つをご用意しています。

【この記事の結論】
  • お客様のご紹介と,先生ご自身の顧問契約は,それぞれ別の入口としてご利用いただけます。ご紹介は,顧問契約の条件ではありません。
  • ご紹介を受けたお客様の初回30分の法律相談は無料です(1名・1社につき初回1回,法律相談に限ります。)。
  • お客様の個別案件(詳細な検討,書面作成,交渉等)は,原則として別契約です。紹介料は,支払も受領もしません。

司法書士事務所様向け顧問プラン(税込)

ライト 月額11,000円(月1時間まで)
スタンダード 月額22,000円(月2時間まで)

お客様のご紹介と顧問契約は,それぞれ別の入口としてご利用いただけます。ご紹介を受けたお客様の初回30分の法律相談は無料です。詳細は4項で案内します。

目次

根拠法令・参照資料

※本ページは,次の法令等に基づいて作成しています。条文の照合は,公開前に行います。

司法書士法第3条(業務),第24条(秘密保持の義務)

弁護士法第27条,第72条

弁護士職務基本規程第13条,第27条,第28条

【公開前に要確認:上記条文の現行条文(e-Gov法令検索,日本弁護士連合会公表の規程)との照合】

この記事はこんな方におすすめです
主要用語の定義

お客様のご紹介とは,司法書士の先生が,お客様のご相談やご依頼を当事務所へつなぐ方法をいいます。顧問契約の締結は,ご紹介の条件ではありません。

司法書士事務所向けの顧問契約とは,司法書士の事務所(司法書士法人を含みます。)を依頼者とし,その事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言を継続して提供する契約をいいます。

簡裁訴訟代理等関係業務とは,法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)が行うことができる,簡易裁判所の管轄に属する訴額140万円以下の事件の代理などの業務をいいます(司法書士法第3条)。

1 このような法律問題でお困りではありませんか

この項の結論

登記の相談の中で,権利関係の争いが明らかになる場面では,早い段階で弁護士に相談することで,対応の選択肢を確認できます。

司法書士の先生は,相続登記,不動産登記,商業登記を通じて,個人や企業の重要な権利関係に接しています。次のような場面では,登記手続だけでは完結せず,法律紛争への対応が必要になることがあります。以下は想定される場面であり,実際の結論は事実関係によって異なります。

  • 遺産分割協議がまとまらず,相続登記を進められない相続人間で不動産の取得者や評価額をめぐる意見が対立する場面です。弁護士は,争点を整理し,交渉,調停,審判に対応します。遺産分割の成立後は,先生と連携して登記手続を進めます。
  • 遺言の内容や遺留分をめぐる請求が生じた遺言による財産の承継に対し,相続人から遺留分侵害額請求がなされ,請求の有無,金額,支払方法が問題になる場面です。弁護士が争点を整理し,交渉や調停・訴訟を検討します。
  • 共有不動産の管理や売却,共有物分割で対立している共有不動産の売却の可否,管理費用の負担,共有物分割請求が問題になる場面です。共有持分と利用状況を確認し,協議による解決や共有物分割請求を検討します。
  • 不動産売買の契約解除や,所有権をめぐる争いがある代金の未払い,契約不適合,契約解除,登記名義と実際の権利関係の不一致が問題になる場面です。契約書と取引経緯を調査し,所有権確認請求や登記請求などを検討します。企業間のトラブル全般は,「その他の企業法務・企業間トラブル」をご覧ください。
  • 会社の株主総会決議や役員の地位をめぐる対立がある取締役の選任・解任,株主総会決議の効力,株式の帰属が争われ,商業登記(役員変更登記など)の前提が定まらない場面です。会社法上の争点と紛争への対応を弁護士が担当します。会社の解散・清算の場面も同様です。

2 司法書士の先生と弁護士の役割分担と連携のメリット

この項の結論

不動産登記,商業登記,相続登記などは,引き続き先生が担当します。弁護士は,争いのある権利関係の検討,相手方との交渉,調停・訴訟などを担当します。

場面司法書士の先生弁護士
相続登記・遺産分割相続登記,相続関係の確認,書類の作成と申請相続人間の争点整理,交渉,調停・審判
遺言・遺留分遺言や相続に関する書類の確認,登記遺留分侵害額請求への対応,交渉・訴訟
共有不動産共有持分の登記,登記事項の確認売却・管理の交渉,共有物分割請求
不動産売買・契約解除売買に伴う登記手続契約解除や代金の交渉,所有権確認・登記請求の訴訟
会社の決議・役員の地位商業登記(役員変更登記など)の申請決議の効力や役員の地位をめぐる争いへの対応
訴額の大きい紛争・訴訟認定司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の範囲内の対応訴額が140万円を超える事件など,範囲を超える案件の代理

※上記は一般的な役割分担の例です。実際の担当範囲は,司法書士法で認められた業務範囲(認定司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務を含みます。),お客様の意向及び案件の内容に応じて決定します。

2-1 連携のメリット

  • 登記実務と紛争解決を円滑につなげられる権利関係が確定した後に登記手続が必要になる場合に,紛争解決とその後の登記を見据えて,必要な手続や書類を整理できます。
  • お客様との関係を維持できる弁護士が個別の紛争を担当する場合も,司法書士の先生の専門業務を引き継ぐことを目的としていません。
  • 紛争になる前から相談できる遺産分割協議や会社の決議に疑問が生じた段階から相談できます。

3 「最初の一件」の進め方

この項の結論

連携は,お客様から相談を受けた段階で,お客様の了承を得て,当事務所をご紹介いただくところから始められます。

  1. STEP1 当事務所へご連絡いただく相続登記の相談を受けたが相続人間で対立している,売買の契約トラブルが判明したなど,法律紛争が明らかになった段階で結構です。お客様の了承を得てください。
  2. STEP2 お客様が,初回30分の法律相談を受ける初回30分は無料です。先生の同席の可否は,お客様の意向と守秘義務を踏まえて決めます。
  3. STEP3 弁護士が,論点と対応の選択肢を整理する個別案件として,詳細な検討や書面の作成,交渉が必要かどうかを案内します。
  4. STEP4 受任する場合は,お客様と弁護士が直接契約する依頼者,役割分担,費用,情報共有の範囲,利益相反の有無を確認します。
  5. STEP5 案件の終了後,登記を含めた今後の連携を確認する紛争の解決後の登記手続など,役割の分担を確認し,次回の相談を円滑にします。

4 料金とご利用方法

この項の結論

先生ご自身が継続的に法律相談をご希望の場合は,ライト(月額11,000円,月1時間まで)又はスタンダード(月額22,000円,月2時間まで)をご利用いただけます(いずれも税込)。

プラン月額(税込)相談できる時間
ライト11,000円司法書士事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言(月1時間まで。回数の制限はありません。)
スタンダード22,000円司法書士事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言(月2時間まで。回数の制限はありません。)

メール,電話,オンラインでご相談いただけます(面談は予約制です。)。事務所運営に関するご質問も含みます。上限時間を超える法律相談は,追加30分ごとに5,500円(税込)です。お客様の個別案件の詳細な調査・検討,契約書や遺言書,信託契約書などの書面の作成・チェック,交渉・調停・訴訟などの代理,研修・セミナーは,上限とは別に,原則として別契約又は別途お見積りです。契約の詳細は,お申込みの際にご説明します。

区分料金(税込)条件
通常の法律相談30分5,500円30分を超える場合は,追加30分ごとに5,500円(予約時にご案内します。)
ご紹介を受けたお客様の初回相談無料ご紹介の入口でご利用いただけます。1名・1社につき初回1回,30分以内の法律相談に限ります。
【ご注意】 初回相談の無料は,ご紹介を受けたお客様の利益です。ご紹介元の先生に対する対価ではありません。資料の精査や書面の作成は対象外で,利益相反などにより,お受けできない場合があります。

5 お客様との関係の取扱い

この項の結論

お客様の案件を弁護士が受任する場合は,依頼者,役割分担,利益相反,費用負担,情報共有の範囲を事前に確認します。

  • 依頼者と連絡窓口お客様の個別案件では,原則として,お客様と弁護士が直接契約します。登記に関する連絡窓口は,引き続き先生が担うことができます。
  • 利益相反と費用負担受任の前に,利益相反(弁護士職務基本規程第27条,第28条)と,弁護士費用の負担者を確認します。
  • 情報共有と守秘義務お客様の意向と,司法書士法第24条に定める秘密保持の義務を踏まえ,共有する情報の範囲を定めます。共有してよいかの判断は,先生の守秘義務に照らして行っていただきます。
  • 紹介の取扱い紹介を契約の条件にはしません。紹介の件数によって顧問料が変わることもなく,紹介料の支払も受領も行いません。

弁護士は,個別の事件を受任した場合,依頼者の利益を優先し,独立して職務を行います。

6 よくある質問(FAQ)

この項の結論

FAQでは,ご紹介と顧問契約の違い,上限時間,無料相談の条件,紹介料,守秘義務,弁護士法第72条との関係を整理します。

お客様のご紹介と顧問契約は,どう違いますか。
ご紹介は,お客様のご相談やご依頼を当事務所へつなぐ方法です。顧問契約は,司法書士事務所自身の業務に関する法律相談を継続して受ける契約です。両者は別々にご利用いただけます。ご紹介は顧問契約の条件ではなく,顧問料は紹介の対価でもありません。
相続や不動産の紛争を弁護士に紹介すると,登記の依頼まで引き継がれませんか。
当事務所は,司法書士の先生が担当されている不動産登記,商業登記,相続登記などの業務を引き継ぐことを目的としていません。弁護士は,争いのある権利関係の検討,交渉,調停・訴訟などを担当します。紛争が解決した後の登記手続は,引き続き先生にご担当いただくことが基本です。
ライトとスタンダードの上限時間を超えた場合は,どうなりますか。
ライトは月1時間まで,スタンダードは月2時間までです。いずれも相談の回数に制限はありません。上限を超える法律相談は,追加30分ごとに5,500円(税込)です。お客様の個別案件の詳細な調査・検討,書面の作成,交渉・調停・訴訟の代理などは,上限とは別に,原則として別契約です。
お客様の相談も,顧問料の範囲で受けられますか。初回の無料相談の条件は何ですか。
顧問料は,司法書士事務所自身の業務に関する一般的な法律相談・助言の対価です。お客様の個別案件は,原則として別契約になります。ご紹介を受けたお客様の初回30分の法律相談は無料です(1名・1社につき初回1回,法律相談に限ります。)。資料の精査や書面の作成は対象外で,利益相反などにより,お受けできない場合があります。
お客様を紹介した場合,紹介料を受け取れますか。
紹介料のやり取りは行いません。弁護士職務基本規程第13条は,弁護士が依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼等を支払うこと(第1項),及び依頼者を紹介したことに対する謝礼等を受け取ること(第2項)を禁止しています。弁護士法第27条は,弁護士が,同法第72条から第74条までの規定に違反する者から事件の周旋を受けることを禁止しています。
相続人の一人から「他の相続人との交渉を代わりにしてほしい」と頼まれました。司法書士として引き受けてよいですか。
司法書士は,司法書士法で認められた業務(認定司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務を含みます。)の範囲を超えて,報酬を得る目的で,一般の法律事件の交渉や代理を業として行うと,弁護士法第72条に抵触するおそれがあります。範囲を超える依頼は,引き受ける前に弁護士への依頼を検討してください。
お客様の資料や情報を,弁護士に共有してよいですか。
司法書士には,司法書士法第24条による秘密保持の義務があります。共有してよいかは先生の守秘義務に照らして判断していただき,実務上は,お客様の了承を得て,共有する資料の範囲を定めます。

7 まとめ

お客様から遺産分割,遺留分,共有不動産,不動産売買,会社の決議などの相談を受けたときは,お客様の了承を得て,当事務所をご紹介ください。先生ご自身が継続的に法律相談をご希望の場合は,ライトとスタンダードの顧問契約をご用意しています。他の専門家との連携の全体像は,「専門家・パートナーの皆様へ|弁護士との連携・法律相談のご案内」をご覧ください。

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本記事は,掲載時点の法令,指針,裁判例等に基づき,一般的な法的情報を提供することを目的として作成しています。個別の事案では,事実関係や証拠等によって結論が異なるため,本記事は法的助言を目的とするものではありません。また,法令の改正,裁判例の変更等により,掲載内容が変更される場合があります。具体的な事案については,当事務所の弁護士へお気軽にご相談ください。

執筆・監修

日本橋法律特許事務所 代表弁護士・弁理士 中山泰章(第二東京弁護士会所属)

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